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JCOGの基本情報第1回JCOG患者・市民セミナー開催報告

開催報告

   2019年11月17日(日)、国立がん研究センター築地キャンパスにて、第1回JCOG患者・市民セミナーを開催いたしました。

JCOG患者・市民セミナー01

[患者市民参画について]
   近年、欧米では、臨床研究の実施にあたって、研究の計画段階から患者・市民の意見を採り入れることで、研究の科学的・倫理的な価値を高め、研究の推進を図る試みである「患者市民参画」(Patient and public involvement:PPI)が進んでいます。
   我が国においても、国や日本医療研究開発機構(AMED)、日本臨床腫瘍学会等の学会や国立がん研究センター等の医療機関においても取り組みが見られるようになってきました。
   JCOGでは2018年に「患者参画小委員会」を立ち上げ、JCOG内の臓器別研究グループと患者会との意見交換会やがん対策情報センター患者市民パネル意見交換会への参加等、患者市民参画の試みを始めたところです。

患者参画小委員会委員一覧
https:///www.jcog.jp/basic/org/committee/ppic.html

臨床試験に関する事項について学んでいただくために
   JCOGが実施している臨床試験を広く知っていただくことを念頭に、臨床試験に携わる医師とともに、JCOGの基本情報の説明や、臨床試験に関する事項について学んでもらうことを主旨として「JCOG患者・市民セミナー」を開催しました。
   JCOGでは、JCOGが行う臨床研究をよりよい研究とし、より多くの患者さんに参加いただき、より多くの患者さんに貢献するエビデンスを創出していくため、こうした患者市民参画を継続的・恒常的に行う仕組みを作ることを考えています。しかし、試みはまだ始まったばかりであり、具体的にどのように進めていくのがよいのかを模索している段階です。

[プログラム]
ご挨拶「セミナー開催にあたり」 JCOG患者参画小委員会委員長 古瀬純司
講義1「臨床研究、治験について」 JCOGデータセンター 柴田大朗
講義2「JCOGの説明」 JCOGデータセンター長 福田治彦
講義3「JCOGで実施中の臨床試験」 JCOG運営事務局 片山宏
講義4「JCOGが目指す患者市民参画の方向性」 JCOG運営事務局長 中村健一
グループディスカッション:JCOGにおける患者・市民参画(PPI)について
[参加メンバー]
パネルさん:がん対策情報センター患者市民パネルメンバーのみなさん(26名)
患者さん:JCOG内の臓器別研究グループとの意見交換会に参加されたことのある方(19名)
研究者さん:JCOG臨床試験を進めている各医療機関の研究者(30名)

[開会の挨拶]
   古瀬純司 患者参画小委員会委員長からのあいさつでは、JCOGにおいて、患者市民セミナーが初めて開催されること、いくつかの研究グループでは研究者と患者さんとの対話が開始され、JCOGの臨床研究の活動に多大なるご協力いただいていることが紹介されました。さらに、本日のディスカッションについても、忌憚のないご意見をいただきたい旨、リラックスして楽しんでいただきたい旨が語られました。

[事前アンケートの報告]
   事務局よりセミナーに先立って皆さまにご協力いただいた「事前アンケート」の集計結果を報告しました。
   『セミナーに応募された理由』では、“他人事ではない、何かしら協力したい、知識を深めたい”といったご意見が多く寄せられました。
   『臨床研究に対するイメージ』では、“医学の進歩のために必要、参加条件が厳しい、一部の病院でしか参加できない、以前は「実験」というイメージが強かった”、等具体的なご意見がありました。
   『患者・市民が参画することにより臨床研究が進むと思うか』では、全員が「そう思う」と回答いただき、“幅広く広報する、門戸を広げる、患者・家族の意見を伝える”といったご提案が寄せられました。
   『患者さんの研究参加を進めるために』では、“正確な情報の提供、情報発信、世間一般および職場の理解、オープンにする”等、情報開示と広報活動の必要性が挙げられました。
   『どのような研究を⾏って欲しいか』については、“アンメットメディカルニーズに答える研究、副作用の軽い治療を開発する研究、希少がんの研究、効果と副作用のバランスが取れた研究、再発・転移後も根治を⽬指せる治療の開発“など、臨床試験に寄せる期待の高さが覗えるご意見が多く寄せられました。

[講義]
   各講師より講義が行われました。
   講義資料は、このページの下部よりダウンロードできますので、是非ご覧ください。

[ディスカッション]
   講義4の後、講義の中で示されたテーマの中から、各班でテーマを選ぶ形で、ディスカッションが進みました。
        テーマ① 臨床研究で優先すべきテーマ
        テーマ② 優先する治療開発
        テーマ③ 臨床試験への参加促進のアイデア
   提示されたテーマについて、各班で活発な議論が展開されました。
   テーマ①では「ニーズの全体把握は難しい」「短期的な関係では良い意見は出づらい」、
   テーマ②では「誰を規準にして治療するかによって異なる」「治療効果の高い治療」「副作用の少ない治療」、
   テーマ③では「CMやインターネットの積極的な活用」「広報の不足」「診断されたばかりの患者さんは動揺している」
   「標準治療を理解する、臨床試験によって行われていることを理解する」といった意見が挙げられていました。
   この他、「JCOGキャラバンのようなものを作り広く活動する」「応援団をつくる」といった心強いご意見もいただきました。

   限られた時間の中ではありましたが、患者・市民、そして研究者のそれぞれの立場からの感想や疑問を含め、より内容に踏み込んだご意見をありがとうございました。

JCOG患者・市民セミナー02
セミナーの様子
[講義の資料]
講義1「臨床研究、治験について」PDF JCOGデータセンター 柴田大朗
講義2「JCOGの説明」PDF JCOGデータセンター長 福田治彦
講義3「JCOGで実施中の臨床試験」PDF JCOG運営事務局 片山宏
講義4「JCOGが目指す患者市民参画の方向性」PDF JCOG運営事務局長 中村健一

関連資料
   がん情報サービス「がんの臨床試験」をご存じですか(2019)
         https://ganjoho.jp/public/qa_links/card/clinical_trial.html