JCOGの基本情報あいさつ

JCOG代表者 飛内賢正

日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group; JCOG)は、公的研究資金(国立がん研究センター研究開発費、厚生労働科学研究費など)により運営される、がん多施設共同研究グループです。JCOGの目的は、前向きの多施設共同臨床試験実施により有効性の高い標準治療(最も効果的な治療)を確立して、その研究成果を国内外に発信し、がん患者さんの診療の質と治療成績の向上を図ることです。開発を目指す新しい治療法には、抗腫瘍薬の組み合わせによる薬物療法、外科手術や放射線治療、内視鏡治療に加えて、これらを併用した集学的治療があります。

JCOGの前身は、1978年に開始された厚生省がん研究助成金指定研究「がんの集学的治療の研究」班であり、1990年に、当時の主任研究者下山正徳先生が、米国のがん臨床研究グループSWOG(Southwest Oncology Group)を参考に、研究のための組織を構築してJapan Clinical Oncology Group(JCOG)と命名しました。

現在のJCOGは、運営委員会、中央支援機構(データセンター・運営事務局)、監視・管理機構(各種委員会)、研究グループで構成され、国際的に貢献しうる臨床試験の実施とデータ保証ができる体制が整備されています。

16の専門分野別研究グループが実施するJCOG試験には、年間約3,000人のがん患者さんが参加されています。とくに最近の、胃がん・大腸がん・肺がんなどに関する外科系研究者の研究活動には目を見張るものがあります。国内外の他の臨床試験グループとの共同研究も積極的に進めており、2013年には抗腫瘍薬の適応拡大を目指した先進医療制度下の臨床試験を開始し、また、将来の生物学的研究との連動を図るために患者さんの試料を保管する「JCOGバイオバンク」を稼動させました。

私(飛内賢正)は長らく国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科に勤務してきた血液内科医で、JCOG創立時点よりリンパ腫グループの一員として、また、プロトコール審査委員会委員長としてJCOG研究に関与してきました。この度、下山正徳先生、西條長宏先生、田村友秀先生に続く第四代のJCOG代表者を務めることになりました。至らないところの多い人間ですので、お気づきの点がありましたら、忌憚のないご意見をいただければと存じます。

近年、がん診療連携拠点病院の整備などの国によるがん対策の強化、臨床試験のグローバル化、地域のがん臨床試験グループの活性化、製薬企業による新薬開発の活性化、各種研究倫理指針の改正、国立がん研究センターの独立行政法人化、公的研究費支援体制の改変、急速な高齢化など、JCOGを取り巻く環境は大きく変わりつつあります。このような中で、JCOGの果たすべき役割は何かを常に再検討し、新たな認識をもって取り組む必要性に迫られています。日本の中で、そして国際社会に対して、JCOGはどう貢献すべきか。JCOGとして優先的に取り組むべき課題は何か。

JCOGの研究者は、これらを常に認識しつつ、がん診療の質の向上とがん患者さんの治療成績の更なる向上を目指して努力を続けます。

2014年7月
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