- グループ代表者:塚崎邦弘(長崎大学大学院)
- グループ事務局:渡辺隆(国立がん研究センター中央病院)
- グループ代表委員:大間知謙(東海大学医学部)
グループ代表委員:山口素子(三重大学医学部附属病院)
グループ代表委員:山本一仁(愛知県がんセンター中央病院)
グループ代表委員:楠本茂(名古屋市立大学病院)
グループ代表委員:丸山大(国立がん研究センター中央病院)
※グループ代表委員とは、グループで行われる臨床試験の計画、実施の際に中心的な役割を担うメンバーです。
沿革と概要
JCOGリンパ腫研究グループ(LSG)は1978年度に始まった厚生省がん研究助成金指定研究「がんの集学的治療の研究」班(主任研究者 末舛恵一)の研究目的達成のために創られた臓器がん多施設共同研究グループの1つとしてスタートしました。そして1987年度の「固形がんの集学的治療研究」班(主任研究者 下山正徳)に引き継がれ、1990年に創立された日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の主要グループとして活動し、1999年度から指定研究1「高感受性悪性腫瘍に対する標準的治療確立のための多施設共同研究」班(主任研究者 堀田知光、2009年度からは飛内賢正)に引き継がれて今日に至っています。
JCOG-LSGはこれまで10のランダム化比較試験(RCT)を含む30の臨床試験(ホジキンリンパ腫[HL] 3, 非ホジキンリンパ腫[NHL] 13、リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫 3、成人T細胞白血病リンパ腫[ATL] 3, 鼻NK/T細胞リンパ腫 1、多発性骨髄腫 5、自家骨髄移植 2)を実施し、リンパ系腫瘍の標準治療確立に貢献してきました。2001年度設立の、がん治療共同研究・厚労科研費の支援を受け、活発な活動を展開しています。
研究のあゆみと主な成果
LSGの最初の多施設共同治療研究はNHLを対象にした第Ⅱ相試験VEPA療法 (JCOG7801)でした。当時の悪性リンパ腫は表面マーカーによるT・B分類や新しい疾患概念の提唱など、パラダイム転換期にあり、治療研究と共にATLの臨床研究を積極的に推進し、数々の疫学研究成果、病因ウイルス発見(TLV-1)、病型分類提唱など、多くの世界的な研究成果を上げてきました。
治療研究では、HLに対するC-MOPP/ABVd療法 (JCOG8905)とABVd療法 (JCOG9305)は欧米のMOPP/ABVD療法やABVD療法に遜色なく、わが国の標準治療となり、これが2課長通知とそれに基づくダカルバジンのHLの公知申請・薬事承認に貢献しました。NHLに対し、VEPA療法に引き続き、T・B分類で層別したVEPA vs. VEPAMのRCT(JCOG8301)が行われ、治療効果はB>>T、特にATLは難治であり、予後因子はT、Bリンパ腫で異なることを明らかにしました。当時開始した病理中央診断はリンパ腫に対する多施設共同治療研究に必須となり、病理診断の質向上に寄与すると共に、現在各臓器がんで行われている病理中央診断へと発展しました。
進行期中高悪性度NHLに対するCHOP療法とBiweekly(Bi-) CHOP療法のRCT(JCOG9809)はBi-CHOP群の無増悪生存割合がCHOP群を上回らず、NHLにおける治療間隔を短縮するdose-dense化学療法の評価に一石を投じました。ATLに対するLSG15多剤併用療法(JCOG9303)は生存期間中央値が初めて1年を超え、Bi-CHOPとのATLに対する世界初のRCT (JCOG9801)でBi-CHOP群より優れ、ATLに対する標準治療と認識されました。また、限局期 NK/T 細胞リンパ腫に対する放射線化学療法同時併用 (JCOG0211) は安全に施行可能で、従来の放射線治療単独に比べて生存期間延長に寄与することが示されました。
今後の展望
進行期低悪性度B細胞リンパ腫に対する抗CD20抗体療法+化学療法[Rituximab + standard CHOP(R ・S-CHOP) vs. Rituximab + Biweekly CHOP (R・Bi-CHOP)]のランダム化第Ⅱ/Ⅲ相試験(JCOG0203)は、登録を終了して追跡中で、その結果が近々公表されます。リンパ系腫瘍は進行期でも治癒可能なものがある反面、難治な病型も少なくありません。現在、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するR-CHOPのリツキシマブ至適投与法を確立するためのランダム化第II/III相試験(JCOG0601)、高リスクDLBCLに対する自己末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法のランダム化第II相試験(JCOG0908)、マントル細胞リンパ腫に対する自己末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法の第Ⅱ相試験(JCOG0406)と多発性骨髄腫に対するボルテゾミブとサリドマイドを比較するランダム化第II相試験(JCOG0904)を実施中です。またアグレッシブATLに対する同種造血幹細胞移植療法(JCOG0907)やインドレントATLに対するインターフェロンαとジドブジンの併用療法(PC908)を検討する臨床試験を計画中で、順次実施予定です。
※グループ活動の紹介文は、2010年7月に更新したものです。













