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JCOGの基本情報消化器がん内科グループGastrointestinal Oncology Study Group:GIOSG

  • グループ代表者:朴成和(聖マリアンナ医科大学)
  • グループ代表委員:吉野孝之(国立がん研究センター東病院)
    三梨桂子(国立がん研究センター東病院)
    廣中秀一(千葉県がんセンター)
    加藤健(国立がん研究センター中央病院)
    山崎健太郎(静岡県立静岡がんセンター)

※グループ代表委員とは、グループで行われる臨床試験の計画、実施の際に中心的な役割を担うメンバーです。

概要

本グループは、「胃がん内科グループ」として発足し、その後活動範囲を大腸がんや食道がんにも拡大したため、1999年より「消化器がん内科グループ」と名称が変更されました。最近では消化管(食道・胃・大腸)がんの化学療法の臨床試験だけでなく、頭頚部がんに対する化学(放射線)療法や内視鏡的治療などの臨床試験も行っています。

胃がん

1990年代初めまでは切除不能進行・再発胃がんを対象とした化学療法の第Ⅱ相試験を展開し、その後第Ⅲ相試験(JCOG9205)を行いました。JCOG9205の結果を受けて、5-FU単独療法を対照としてS-1単独療法とイリノテカンとシスプラチンの併用療法の3群による第Ⅲ相比較試験(JCOG9912)を行い、5-FU単独に対するS-1単独療法の非劣性を示しました。この試験は現在の本邦における切除不能進行・再発胃がんに対する標準化学療法確立に大きく貢献しました。現在、胃がんに対する化学療法の個別化医療の臨床試験を計画しています。また、胃がんは腹膜に転移することが多く、消化管の通過障害、腹水、水腎症をきたし、全身状態悪化の原因となります。胃がん腹膜転移患者を対象とした5-FU単独療法とメソトレキセートと5-FUの併用(MF)療法の第Ⅲ相比較試験(JCOG0106)では、MF療法は5-FU単独療法に対して全生存期間における優越性を示すことができませんでしたが、通常は臨床試験の対象とならない胃がん腹膜播種に対する標準治療を明らかにすることができました。さらに、二次治療においてパクリタキセルを用いた第II相比較試験(JOCOG0407)ではパクリタキセルの有効性が示唆され、現在、5-FU/ロイコボリンとパクリタキセルの併用療法の臨床試験を検討しています。本邦の内視鏡技術は世界のトップレベルにありますが、その技術を生かした粘膜内胃がんに対する内視鏡的切除術の第II相試験(JCOG0607)を展開しており、さらに内視鏡切除術の適応拡大を目指して臨床試験を計画中です。

食道がん

近年、食道がんの内科的治療は飛躍的に向上し、切除可能なステージに対する化学放射線療法の臨床試験(JCOG9906)では37%の5年生存率を得ました。しかし、放射線の晩期毒性や、局所制御力不足などの問題も明らかになり、治療成績向上のためには、有効な新薬、放射線照射方法の工夫や救済手術、さらには内視鏡的切除術との併用など、集学的治療を取り入れた新たな治療戦略が必要であると考えられます。現在T1b食道がんに対する内視鏡切除術+化学放射線療法の臨床試験(JCOG0508)、および、S-1を用いた化学放射線療法の医師主導治験(JCOG0604)を行っています。また、JCOG内の、研究グループの枠を越えた協力体制が構築されています。

大腸がん

これまで大腸がんに対する化学療法は欧米よりも遅れていましたが、近年イリノテカンやオキサリプラチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブなどの新薬が本邦にも導入され、ようやく欧米に追いつくことができました。今後も、欧米を中心に大腸がんの化学療法が進歩することが予想されますが、欧米から生まれたエビデンスをそのまま受け入れるだけでなく、日本人に合った標準治療の確立を目指しています。

頭頚部がん

頭頚部がんは、欧米では腫瘍内科学のメジャーな分野ですが、JCOGではこれまで頭頚部領域グループはありませんでした。JCOG消化器がん内科グループ内で頭頚部領域初の臨床試験として、S-1とシスプラチンと放射線併用の第II相試験(JCOG0706)の登録を完了させることができました。さらに新たな臨床試験を計画中です。今後、頭頚部がん領域の独立した研究グループを設立し、本邦における頭頚部がん領域で中心的な役割を果たしていきたいと考えています。

今後の展望

消化器がん治療の進歩にとって、新規抗がん剤開発は最も大きなステップであることは間違いありませんが、新たな標準治療の確立においては、それらの新薬を、「個別化医療を含めて」、「どのような位置づけ」で、「どのような病態」に対して使用するのかを明らかにすることが必須であり、近年は外科的切除術、内視鏡的治療や放射線治療などとの集学的治療の重要性がますます高まっています。これからもJCOG消化器がん内科グループでは、JCOGの他の研究グループと協力しながら、実臨床現場でのUnmet Needsを満たすような臨床試験を展開したいと考えています。

※グループ活動の紹介文は、2010年7月に更新したものです。

試験一覧

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