- グループ代表者:渋井壮一郎(国立がん研究センター中央病院)
- グループ事務局:成田善孝(国立がん研究センター中央病院)
- グループ代表委員:宮北康二(国立がん研究センター中央病院)
グループ代表委員:櫻田香(山形大学医学部)
グループ代表委員:池田潤(医療法人社団北腎会)
グループ代表委員:丸山隆志(東京女子医科大学)
グループ代表委員:大野誠(国立がん研究センター中央病院)
※グループ代表委員とは、グループで行われる臨床試験の計画、実施の際に中心的な役割を担うメンバーです。
脳腫瘍とは頭蓋内にできる新生物の総称であり、脳を構成する組織自体から発生する原発性脳腫瘍と他臓器の悪性腫瘍から脳に移動してきた腫瘍細胞から発生する転移性脳腫瘍とに分けられます。前者は人口10万人に対し、1年間に12~14人程度発生すると言われ、その30%程度が神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれる悪性腫瘍です。神経膠腫の代表は星細胞腫で、グレードが1から4までに分類され、グレード3および4が、通常、悪性神経膠腫と呼ばれており、いまだに5年生存率がそれぞれ23%, 7%と予後不良の疾患です。
一方、がん患者は、年間30万人発生すると言われ、その3分の1が転移性脳腫瘍を有すると言われています。転移性脳腫瘍の約半数は肺がんからの転移であり、乳がん、大腸がんがそれに続きます。
JCOG脳腫瘍グループは2002年に結成され、国立がんセンター中央病院の脳神経外科が事務局となり、全国の大学病院の脳神経外科施設を中心に構成されています。2010年7月の時点で35施設が参加しており、上記の悪性神経膠腫および転移性脳腫瘍に対する標準治療を開発するための臨床試験を行っています。
悪性神経膠腫については、2004年4月より「星細胞腫Grade3・4に対する放射線化学療法としてのACNU単独療法とProcarbazine+ACNU併用療法とのランダム化第II/III相試験(JCOG0305)」というタイトルで、星細胞腫グレード3・4の患者さんを対象とし、手術後、ACNU(ニドラン)のみを併用した放射線治療を行う群とニドランおよびプロカルバジンの両者を併用し放射線治療を行う群との治療成績の比較試験を実施しました。この試験は、第II相段階で登録を終了して解析を行った結果、ニドランを基調とする化学放射線治療は、有効ではあるものの骨髄抑制を主体とする有害事象が多発することが確認されました。この結果を踏まえ、2010年4月からは、テモゾロミド併用放射線治療にインターフェロン-βを加えた際の上乗せ効果をみる「初発膠芽腫に対するインターフェロン-β+テモゾロミド併用化学放射線療法のランダム化第II相試験(JCOG0911)」を開始しました。
転移性脳腫瘍については、「転移性脳腫瘍に対する、腫瘍摘出術+全脳照射と腫瘍摘出術+Salvage Radiation Therapyとのランダム化比較試験(JCOG0504)」という試験を行っています。これは、ひとつが3cm以上の直径を持つ4個までの転移性脳腫瘍の最大径のものを摘出後、すぐに放射線全脳照射を行う群と残存腫瘍に対しガンマナイフなどの定位放射線治療を行う群との比較試験で、現在、登録が進行中です。後者が前者に対し劣っていないことが証明できれば、手術直後に全脳照射を行う必要がなくなり、それによる高次脳機能障害の発生を防げる可能性があります。この他、中枢神経系原発悪性リンパ腫に対し、テモゾロミドによる維持化学療法の有効性を検証する試験を計画しています。
JCOG脳腫瘍グループでは、今後もこのような臨床試験を通じて国内における標準治療を確立するとともに、国際的にも評価される新規治療法の開発に努めたいと考えています。
※グループ活動の紹介文は、2010年8月に更新したものです。











